在宅での食事事故を防ぐために ~「食べる」を支える視点と3つの評価ツール~ 【知って得する! ケアマネジャーの知恵袋】

「知って得する!ケアマネジャーの知恵袋」は、ツクイの現場で活躍する専門職メンバーが中心となり、専門的な学びを深めながら、サービスの質向上につなげていくことを目的に発信しています。
今回は、ツクイで活躍するケアマネジャーのご紹介と、在宅での「食べる」を支える視点についてお届けします。
ツクイ神奈川圏 伊東さん
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ツクイ横浜金沢八景のケアマネジャーとして入社し、現在はツクイ横浜港南・横浜栄・横浜港南台・横浜南ケアプランセンター・横浜戸塚のグループマネジャーを務めています。以前は他社の通所リハビリテーションに約10年勤務し、その後、ツクイのケアマネジャーとして経験を積んできました。
その中で、誤嚥(ごえん)性肺炎による入院・治療を経て、身体機能は維持できていても、嚥下(えんげ)機能の低下によって「飲み込み」が難しく、ご自宅での生活が難しくなってしまったお客様と出会いました。その経験から、日頃のケアや嚥下機能のトラブル対応への関心を深めています。
ケアマネジャーとしての食事事故予防のマネジメント
在宅生活において「食べること」は楽しみである一方、誤嚥や窒息などの重大な事故につながるリスクを伴います。食事形態や介助方法、服薬状況、環境などさまざまな要因が関係するため、事故が起きる前に小さな変化に気づくことが大切です。
また、「常食を食べているから安心」とは限りません。毎食のようにむせる、食事に時間がかかる、食後に声がガラガラする、食べこぼしが増えたといった変化は、摂食嚥下機能低下のサインかもしれません。さらに、認知機能が低下すると、食事に伴う危険性に気づかず無理に食べ続けることがあります。日頃から状態を把握し、見守りや環境調整につなげることが大切です。
「むせる頻度」「食事摂取量」「家族の負担感」「サービスの利用状況」を継続的に確認し、変化があれば専門職につなげましょう。
活用してみたい3つのツール
食事に関する事故を未然に防ぐには、経験や勘だけでなく客観的に状況を確認することが重要です。ケアマネジャーが日々のアセスメントやモニタリングで活用できる3つの評価ツールをご紹介します。
① 摂食嚥下チェックリスト
食事前・食事中・食事後の様子から、安全に食事ができているかを評価するツールです。むせや食べこぼし、声のかすれなどの変化から、飲み込む機能の低下に気づくことができます。
② 認知関連行動アセスメント(CBA3)
言語聴覚士であり、CBA3を開発した森田 秋子(もりた あきこ)先生らが開発した評価方法です。意識、感情、注意、記憶、判断、自覚の6項目から、日常の行動を通して認知に関する状態を把握します。会話ができていても、危険への気づきが低下しているケースなど、日常生活上の変化を捉えることに役立ちます。
③ PILL-5
錠剤やカプセル剤を飲み込む際の嚥下の程度を確認するアセスメントツールです。「錠剤がのどにつかえる」「飲むことに怖さを感じる」などの質問から、服薬時の嚥下の状態を確認します。
ケアマネジャーが意識したいポイント
当社の分析では、食事事故は「常食」「自力摂取」「認知機能が低下している方」に多い傾向があります。常食を食べているからといって、安全とは限りません。また、義歯を装着していない方や認知機能が低下している方は、食事に関するリスクを本人が自覚していない場合もあります。
「食べる」ことは生活の楽しみであり、生活の質を支える大切な営みです。「食べているか」だけでなく「安全に食べ続けられているか」を意識し、3つの評価ツールを活用しながら、事故予防と生活の質の向上を目指しましょう。
<お問い合わせ先>
サービス支援部 金谷