すきま時間の「壁面飾り」でこんなに変わる?!ツクイ明石二見の取り組み
「今日も元気に楽しんでまいりましょう! 」
お客様の前に置いた小さな台の上に立ったスタッフが、元気な声で話すデイサービスの昼下がり。
ツクイ明石二見(兵庫県)では半年ほど前から、日ごろのレクリエーションに加え、入浴や機能訓練の合間のちょっとした「すきま時間」を利用して、季節に合わせた壁面飾りを作る取り組みをおこなっています。
取材に訪れたこの日はフラワーアレンジメントのレクリエーションで盛り上がっていましたが、完成するとすぐ「壁面飾りの仕上げをしましょう」というスタッフの声掛けに、「さあ仕事、仕事」とお客様も加わって手際よく準備をし、12月のテーマ「クリスマス」にちなんだ制作の時間が始まりました。


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この企画を中心となって進めているのは、機能訓練指導員兼介護スタッフの橋本さんです。半年前、グループマネジャーからの「橋本さんの元気と明るさをみんなに分けて!」という言葉に突き動かされ、機能訓練で課題のひとつと感じていた「お客様が季節を実感すること」「お客様のやりがいや生きがいを創出すること」にもつながる取り組みとして提案しました。
「スタッフ全員が賛同してくれて、介護スタッフ・看護スタッフ・調理スタッフなど、職種の垣根を超えて皆さんがアイデアを出し合って進めています。はじめは季節を実感していただくことをテーマにしていましたが、材料の紙を小さく丸める動作が、手先の感覚のためにとても役立っていることを実感し、紙を丸めることも制作の外せない要素にしています。今では朝の検温が終わると、お客様が率先して壁面飾りの制作を始めてくださって、私は毎月のテーマをご提案するだけのような状況です」と笑顔で話す橋本さん。この取り組みを始めてから、お客様同士の距離がぐっと近くなり、会話や笑い声が格段に増えたといいます。


「企画した当初は、いろいろな介護度のお客様がいらっしゃる中で、皆様に楽しく取り組んでいただけるか心配していましたが、お客様同士が「紙を小さく丸める」「丸めた紙を貼り付ける」「お手伝いやアドバイスをする」など、それぞれのできることを積極的に選択したり、分担し合ったりしている姿に感激しています。お客様とスタッフとの会話やスタッフ同士のコミュニケーションの機会も以前より確実に増えました。この取り組みは決して特別ではないかもしれませんが、こんなに変わるのかと驚くほど良い変化があります。ずっと続けて、壁面飾りのカレンダーができ、お客様の気持ちがさらに盛り上がることを目指します」。


<取材>
総務部広報課 濱地
