お客様の声
- 「骨を気にせず食べられるのがうれしい」
- 「頭から尻尾まで食べられるなんて驚きました! 安心して食べられる」
ツクイのデイサービスでは、毎月19日にお客様感謝デーとして「海旅」と題した食事イベントを開催し、昼食で季節の海鮮料理を楽しんでいただいています。
9月のメニューはさんま御膳。秋の味覚であるさんまを、なんと骨ごと召し上がっていただける特別な一品です。この新メニュー誕生の裏側には「お客様に安心して召し上がっていただきたい」というサービス支援部ミール支援課の挑戦と工夫がありました。
では、どのようにして骨まで食べられるさんまを提供できるようになったのか――。
今回は、ミール支援課の取り組みとその思いをご紹介します。
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今年で2年目を迎える「海旅」は季節の海鮮を楽しむ機会として、お客様に親しまれています。
海旅の実現について、ミール支援課の大原さんはこう語ります。
「集客力のある食事イベントをつくる過程で、どうすれば無理なく、どの事業所でもおいしく召し上がっていただけるかに向き合い、どの事業所の調理環境でも扱いやすい食材選びなど、試行錯誤を重ねながら工夫を続けてきました。
さらに、毎年行っているツクイのお客様を対象とした食事に関するアンケートでは、海鮮が人気の食材として挙がっていることもあり、「海旅」を企画しました。仕入れや発注を一元管理する仕組みのもと、さまざまな商材を選定し、基本的に調理済みの商品を使用することで、どの事業所でも安定した品質を楽しんでいただけるように配慮しています」
こうして、この食事イベントを提供する意義が明確になってきた一方で、新たな課題も浮上します。
同じくミール支援課の杉本さんは 「旬の魚を提供したくても、焼き魚は小骨が多く、高齢のお客様には食べにくいという課題がありました。私たちはそれでも秋の味覚を味わっていただきたいと考え、どのようにすればお客様に安心して召し上がっていただけるかを探りながら試行を重ねました」と振り返ります。
日頃から「お客様に喜んでいただける食事を届けたい」と考えていても、高齢のお客様には骨のある焼き魚を安心して召し上がっていただくことが難しい――。そんな課題を抱えていた中で、当社のデイサービスやグループホームなどのお食事に合わせて、食品メーカーの開拓や、完全調理品の開発などを一緒に取り組んでいる国分グループ本社から、骨まで食べられるさんまをご提案いただきました。

この商品は、魚の特性に合わせて圧力や温度を調整する水産加工技術により、骨まで柔らかくふっくらと仕上げられているのが特長です。さらに、通常は魚を焼いて食べた場合、頭や中骨を残すことで、約50%が破棄されると言われていますが、丸ごと食べられることで食品ロスの削減につながり、魚の栄養を丸ごと逃さずに摂取できる工夫が施されています。
この出会いを通じて、私たちは「骨まで食べられるさんま御膳」をはじめ、「あゆ」や「にしん」などの焼き魚をお客様に安心して提供できるようになりました。今では全国のお客様に魚を楽しんでいただくために、半年前から予約しているほどです。
骨まで食べられる魚を加工するには手間も費用もかかるため、注文があって初めて製造されるといいます。そのため、同じように加工された商品をスーパーなどで見かけることはあまりなく、まさに、全国展開しているツクイだからこそ楽しんでいただけるメニューです。
提供前には「本当に丸ごと食べられるのか?」「さすがに中骨は取るんでしょ?」と事業所から不安の声もあったそうですが、実際に「骨まで食べられるさんま御膳」の日に取材に伺ったツクイ横浜日野中央(神奈川県)のデイサービスでは、お客様や事業所スタッフからこのような声があがっていました。
今回の取材を通じて改めて実感したのは、食事が「栄養補給」にとどまらず、お客様の楽しみや生活の潤いにつながるということです。
今後の目標について、大原さんと杉本さんはこう意気込みます。
「続けてきたこの企画も、これからはさらに工夫を重ね、イベントに変化を持たせていきたい」
「事業所と一緒に「選ばれる食事イベント」をつくりあげていくことで、お客様により喜んでもらえる食事を届けたい」
事業所のアイデアも取り入れながら、提供方法の改善や新しいメニュー開発を進めていくとのことです。単においしい食事を届けるだけでなく、お客様の食生活の質を高め、楽しみを広げるための、ミール支援課の挑戦はまだまだ続きます。
↓ 今回の記事の動画はこちら ↓
<取材>総務部広報課 登山