【Grasol】共に働くことから始まる理解とつながり【ツクイの部署体験】
ツクイの特例子会社であるGrasolが、グループ会社との連携を深める新たな取り組みとして「ツクイの部署体験」をスタートしました。Grasolで働く従業員がツクイ本社の各部署で一定期間業務を体験します。これにより、障がい者雇用への理解を深め、将来的なキャリアの可能性を探ることを目的としています。
今回は、その取り組みに密着し体験者の声や受け入れ側のコメントを交えてリアルな様子をご紹介します。
ツクイの部署体験の背景と目的
Grasolでは現在、「成長移行支援」という独自の取り組みを進めています。これは、Grasolで成長した従業員がグループ会社へ出向・転籍し、キャリアアップを目指す仕組みです。この取り組みの前段階として始まったのが「ツクイの部署体験」です。障がいのある方と一緒に働く経験が少ない部署にとって、実際に共に働くことで理解が深まるのではないか。そんな思いから企画されました。
体験者はGrasolの正社員を中心に、勤怠が安定している非常勤従業員も対象に選定。受け入れ部署との事前打ち合わせや顔合わせ、企業在籍型ジョブコーチ(以下「ジョブコーチ」)による支援など、安心して体験できる体制が整えられています。
Grasolでジョブコーチを務める福田さんはこう語ります。「この取り組みには3つの目的があります。まず、受け入れ部署には、障がいがあっても一生懸命働く姿を知ってもらい、障がい者雇用へのハードルを少しでも下げたいと思っています。次に、Grasolの従業員には、合理的配慮が整った環境から一歩外に出て、一般的な執務環境で働くことを肌で感じてほしいです。最後に、Grasolとしては、次期成長移行支援の候補者を見極める場にし、受け入れ部署を増やすためのきっかけにしたいです。」
6部署でのリアルな体験
総務部
総務部の体験では、Grasolのメンバー2名が、応接室の開錠・施錠、郵便仕分け、ビジターカード管理、会議室セッティングなど、総務課の業務を中心に体験しました。
Grasolの森島さんは「総務課から受託している業務を担当しているので、総務課は近い存在です。今回の体験は総務課のことをより深く知るチャンスだと思いました」と参加の背景を語ります。体験を通じて「総務課が少人数で幅広い業務をこなしていることにあらためてすごいと思いましたし、感謝の思いが深まりました。そんな皆さんから『受託業務に助かっている』と言っていただけて誇りに思います。今回の体験で、受託業務の前後の工程を知ることができたので、これまでより一層、細部まで気を配りながら業務に向き合えそうです」と笑顔で振り返ります。
総務課の鈴江さんは「委託業務で日々関わりをもっており、一緒に業務をしてみたいという思いがありました。体験期間中は安心して業務に取り組めるよう、メンバーが常にサポートできる体制を整え、スケジュールも調整しました」と話します。さらに「今後もこうした受け入れを続け、Grasolの方が継続して行える業務を見つける機会を増やしていきたいです。また、委託業務の幅を広げるために、どんな準備が必要かを一緒に考えていきたいですね」と期待を寄せます。
よりそいコンシェル事業部
よりそいコンシェル事業部の体験では、Grasolのメンバー3名が企業向けイベントの運営サポートとして参加しました。期間中は、各日1名ずつがバックヤードでのチラシセットや販促品の補充業務を中心に、状況に応じて来場者への呼び込み対応をするなど活躍しました。Grasolの齊藤さんは「仕事として初めて呼び込み業務に参加したため、とても緊張しました。最初は言葉が詰まり、なかなか立ち止まってもらえず難しさを感じましたが、一度で諦めず何度も声をかけ続けた結果、興味を持って詳しく話を聞いてくださる方がいて、とてもうれしかったです。その後は自信が湧き、仲間と意見交換しながら工夫できたことも貴重な経験でした。一歩踏み出す勇気が成長につながると学び、今後もこうした機会があれば積極的に挑戦したいと思います」と振り返ります。
ミライ想造部 事業運営課
事業運営課の体験では、Grasolの大口さんが動画撮影や説明会運営などに挑戦しました。
職員紹介動画の撮影では「和やかな雰囲気の中で緊張しながらも楽しく務めることができました」と振り返ります。
また、ウェブ説明会の事務局業務では、音声調整や入室管理など運営側のサポートを担当。「スムーズな進行に貢献できたことがうれしかったです」と話します。体験を通じて「介護の枠を超えた保険外事業に触れ、興味を持っている自分に気づけたことが大きな収穫でした」と視野が広がる体験になったと振り返ります。

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業務支援部 システム課
システム課の体験では、Grasolのメンバー2名が、IT関連のサポート業務や事務作業に取り組みました。
チャット機能の設定やパソコンの不具合対応、タブレットの修理依頼などのサポート業務を中心に、精算手続きの確認やタブレット端末の設定操作、書類の押印や発送なども担当しました。さらに、オンライン会議ツールのライセンス管理といった定型業務にも携わりました。体験者は「システム課にはどのような仕事があるのか、自分の適性と合うかを知るために研修を受けました。確認作業でスクリーンショットを残す方法を教わり、記憶が苦手な自分にとって業務効率化のヒントになりました。研修資料のAI音声に合わせてアニメーションを整える作業は新鮮で面白く、AI音声の仕組みにも興味を持ちました。わからないところを丁寧に教えていただき、安心して取り組めたことに感謝しています」と振り返ります。
施設開発部 施設開発課
施設開発課の体験では、Grasolのメンバーが新しい事業所の開発に関する業務を学びました。
リモートでの定例会議に参加し、工事の進捗報告や監修内容を確認。さらに、デイサービスの出店・開発に関する説明を受け、事業の仕組みや計画の流れを理解しました。現地調査では、2か所の土地に足を運び、図面と照らし合わせながら敷地の広さや周辺環境を確認するなど、施設開発に欠かせない視点を体験。体験者は「実際の土地を見て、施設ができるイメージが湧きました。図面だけでは分からない細かな部分を知ることができ、学びが多かったです」と話します。体験を通じて「施設開発課の業務がいかに調整を重ねながら進むかを知る機会となりました」と振り返ります。
サービス支援部 法令対応課
法令対応課の体験では、Grasolの阿部さんが、システムのエラー確認や後追い、データ集計など事業所のサポートとなる業務を中心に経験しました。いずれも正確さが求められる業務で、阿部さんは「体験前は難しそうなイメージがあり、不安もありましたが、実際に取り組んでみると答えがある業務だったので分かりやすかったです」と話します。
介護スタッフとして現場経験がある阿部さんは「現場の方がどれだけ忙しいかを知っているので、優しい気持ちをもって接することを意識しました」と振り返ります。
法令対応課の藤井さんは体験中のサポートを担当し「一度の説明で理解し、分からないことはきちんと確認してくれたので、とても頼れる存在でした。当初予定していた業務のほかに、追加の業務も行っていただき、大変助かりました」と感謝の言葉を述べました。さらに、課長の久保山さんは体験を通じた気づきについて「同じように働く仲間として、業務説明の際には『分かりやすく丁寧に』を心がけるようにしました。お互いに理解を深める良い機会になりました」と語りました。
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福田さんのコメント「ツクイの部署体験は、理解とつながりを生む第一歩です!」
この体験を継続していくためには、従業員それぞれの「一般企業で挑戦したい」「特例子会社で働き続けたい」という希望を尊重しながら、Grasolの社内で戦力となる人材を育成していくことが必要です。
この体験をきっかけに成長移行支援につながればうれしいですが、たとえ難しくても、「Grasolにこの業務をお願いしたい」という新しい業務の切り出しにつながることを期待しています。さらに、Grasolの従業員がツクイの執務室で困っていたら、「お困りですか?」「お願いしてもいいですか?」と気軽に声をかけ合える信頼関係が育まれることを望んでいます。

<取材>
総務部広報課 吉澤
