【Grasol】障がいを個性に変え自分らしく働く力を育む「成長移行支援」
Grasolは、ツクイグループの障がい者の雇用促進と活躍支援をよりいっそう進めるため、2021年に設立されたツクイの特例子会社です。
今回は、Grasolが独自に取り組む「成長移行支援」について、Grasolの西田さんと福田さん、成長移行支援の初の対象者としてGrasolからDIGITAL LIFEに出向された松岡さんにお話を伺いました。
キャリアの次の一歩を支える「成長移行支援」とは?
成長移行支援は、Grasolの従業員が安心して働き続けられるよう、ツクイグループ内からキャリアアップの機会を提供する取り組みです。
Grasolで身につけた経験やスキルを生かし、親会社のツクイやグループ会社などで、新しい職場や役割にチャレンジできるよう支援しています。また、障がいの有無に関わらず、一人ひとりの「個性」や「性格」を大切にする考え方をツクイグループ全体へ広げていくことも、この取り組みの大きな目的のひとつです。
成長移行支援の"第1号"誕生と関わった仲間の思い
この取り組みの初の対象者としてツクイグループでDXサービスやITサービスを展開するDIGITAL LIFEに出向されたのは、Grasol設立当初から勤務する松岡さんです。
出向のきっかけは、松岡さん自身による「貸与PCの設定をGrasolで担えないか」という提案でした。
本人の意欲とITスキルに長けている適性、そして受け入れ先の理解と準備が重なり、成長移行支援の第1号としての出向が実現しました。
その実現をサポートしたのが、企業在籍型ジョブコーチ(以下「ジョブコーチ」)を務める福田さんです。ジョブコーチは、Grasolに在籍する障がいのある従業員が、職場に適応できるようさまざまな支援をする役割です。松岡さんの成長について福田さんは、「松岡さんがGrasolに入社された当初、私はまだ親会社のツクイに所属していました。入社当初の不安そうな表情が、一緒にGrasolで働くようになったときには、自信に満ちた表情に変わっていて、一生懸命仕事を覚え、業務に自信を持って取り組むようになったのだなと、感慨深さを感じました。」と語ります。
Grasolで新規事業の開拓を務める西田さんは「設立当初からのメンバーである松岡さんは、後輩たちにとって良いお手本であり、業務の不明点をジョブコーチではなく上長に相談できるほど自立性が高く、安心して送り出すことができました」と語り、初めての成長移行支援でありながら、不安や難しさを感じることなく、「松岡さんは周囲と積極的にコミュニケーションをとりながら、自ら問題解決をする力がありました。明るい未来しか見えていませんでした」と振り返ります。
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成長移行支援が後押しする、松岡さんの挑戦
2024年7月、成長移行支援を活用してDIGITAL LIFEに出向した松岡さんは、ITインフラ業務に携わりながら着実にスキルを磨いています。松岡さんは「出向当初は専門用語に戸惑うこともありましたが、今では理解できるようになり、自分でも成長を感じています。ITは好きな分野なので知識も自然と身についてきました。」と、前向きな変化を実感しています。
その背景には、松岡さんを支える丁寧な支援体制がありました。
福田さんは出向に先立ち、受け入れ先のチームに松岡さんの特性や配慮事項を共有。松岡さんには「期待によるプレッシャーがあると思うが、自分のペースで仕事をすれば良いこと」「いつでも相談して良いこと」を丁寧に伝えました。
安心して新しい環境に臨めるよう、出向後は月1回の定期面談に加え、毎週訪問して面談を実施し、内容はリアルタイムでDIGITAL LIFEの管理者に共有しました。ある程度DIGITAL LIFE側との信頼関係が築けた段階で、同僚や上司に直接相談できる体制へと徐々に移行し、半年後にジョブコーチである福田さんの支援を卒業しました。
こうした段階的な支援が、松岡さんの成長を自然に後押ししたことがうかがえます。
DIGITAL LIFEでも、松岡さんの受け入れにあたり、業務量や働き方に対して丁寧な配慮がありました。
出向前の面談では、社長から「残業はしなくていい」と直接伝えられ、安心して働ける環境づくりが意識されていたといいます。「実際に残業が発生した際には、メンバーから『お手伝いしましょうか?』と声をかけてもらえたのがうれしかったです」と、松岡さん。日常的な気遣いが自然に行われ、無理なく力を発揮できる環境が整えられています。
支援する側と受け入れる側のあたたかさ、そして松岡さんの誠実さが重なり、現在の働き方が形づくられていきました。
DIGITAL LIFE 松岡さんのコメント働くうえで一番大切にしているのは、心身の健康です。無理をしすぎず、自分の状態を意識しながら働くようにしています。手順書や周囲のサポートがあるので、安心して取り組めます。 DIGITAL LIFEでは、障がいのある従業員への理解が深く、自然に受け入れてもらえていると感じます。 今後は、展示会やイベントの運営にも関わってみたいです。挑戦したいという気持ちを伝え続けることで、成長移行支援を通じて、チャンスが生まれることを実感しました。自分のペースで、自分らしく、これからも働いていきたいと思います。 | ![]() |
松岡さんの挑戦を通じて、自分らしい働き方が職場の多様性を広げることにつながると感じました。その歩みを支える「成長移行支援」は、一人ひとりの挑戦に寄り添いながら、可能性を広げてくれる取り組みです。
<取材>総務部広報課 吉澤