【地域共生】認知症の方が輝く特別な一日!「注文をまちがえる陽だまりのレストラン」オープン

2025-04-24

「注文をまちがえる陽だまりのレストラン」オープン!

 2025年3月20日(木)、神奈川県平塚市にあるホテルサンライフガーデンにて、1日限定の「注文をまちがえる陽だまりのレストラン」がオープンしました。このレストランでは、認知症の方々がホールスタッフとして注文を取り、もしまちがえても「まぁ、いいか」と思ってもらいながら食事を楽しんでもらう場です。
この取り組みには、平塚市および市内の複数の法人が協力。当社からはツクイ平塚徳延グループホームとツクイ平塚中原のお客様がホールスタッフ(以下「ホールスタッフさん」)として参加しました。

陽だまりのレストラン①
本日の主役!ホールスタッフとしてお仕事をされたツクイのお客様

みんなで楽しむ特別な空間に

レストランにはワクワクした様子で開店を待っている方がたくさんいらっしゃいました。
ホールスタッフさんは、テーブルに着いた方から順番に注文を取り始め、「私のおすすめはハンバーグよ!」と笑顔でおすすめする場面もあり、会場は和やかな空気に包まれていました。
一方で、慣れない環境により「どうすればいいの……」と混乱してしまう様子の方もいましたが、周囲のお客様は落ち着いた様子で状況を受け止め、あたたかく見守っている姿が印象的でした。
このレストランの趣旨を理解し「認知症の方々とともに楽しい時間を過ごそう」という気持ちが会場全体を優しく包み込んでいるようでした。

陽だまりのレストラン②
ひとつひとつ確認しながら注文を取ります
陽だまりのレストラン③
注文伝票は認知症の方にも分かりやすい仕様に
陽だまりのレストラン④
シルバーカーを器用に使いこなす姿も!
グラスに水を注ぐ様子をあたたかく見守ります

ホールスタッフさんからは「普段こんなに動かないから少しくたびれたけど、とても楽しかった!」「気づいたら自然と身体が動いていたわ」といった感想が聞かれ、一生懸命仕事に励む姿に我々が勇気をもらう場面がありました。

認知症の方々が社会に関わる意義

この取り組みでは「働いた分の対価をお渡しする」ことも大切なポイントのひとつでした。仕事をしてその報酬を支払うまでがコンセプトとして組込まれており、ホールスタッフさんには主催団体より感謝状と謝礼が手渡されました。
こうした仕組みを通じて、認知症の方も社会の一員として働けることを伝えることができ、「認知症=支援される側」というイメージを変えるきっかけにもなります。
これまで認知症の方は介護や支援を受ける立場として捉えられることが多かったですが、このような取り組みが広がることで、「自分も誰かの役に立てる」「まだまだできることがある」と感じてもらえる機会が増えるかもしれません。そうした気づきが、認知症の方がもっと自然に社会の一員として関わっていける共生社会につながっていくのではないでしょうか。

陽だまりのレストラン⑥
本日の謝礼と感謝状を受け取るお客様

実行委員長・ツクイ平塚徳延グループホーム 伊藤さんからのコメント

多くの人に認知症に対する理解を深めてもらいたいという思いから「注文をまちがえるレストラン」の開催に至りました。
認知症はひとくくりにできるものではありません。地域全体で理解を深め、その人に合わせた環境や支援で支える社会が必要であり、「自分らしい生活を続けること」が幸せだと私は考えています。介護・医療の重要性を踏まえながら、福祉業界での役割を見つめ直し、新たな挑戦を続けていきたいです。

陽だまりのレストラン⑦
実行委員長の伊藤さんは、オリジナルのユニフォームを着用しお客様をサポートしました!

<取材>
総務部広報課 吉﨑